閉ざされた別れの道
風も心地よくとても過ごしやすい夕暮れどき
昨日は夜まで気まずいムード
ふと彼を見ると今の状況を飲み込みたいがごとくマイナス感情を抱えながらうつ向き黙ってる
私はダメージが増えないように最悪なシチュエーションの想像ばかりして上の空
とうとう仕事が終わった彼が仕度を済ませ、長く空けていた自宅へと帰っていった
がらんとした部屋で、いつも側に居ることが心地よすぎるふたりのはずだったのに今が残念でしかないなとやんわり感じていた
深夜になってからスマホを開くと「寂しい」「会いたい」「触れたい」たくさんの素直が散りばめられたラインが届いていた
犯罪である彼の性癖が私を困りに困らせたことだし、それを乗り越えるためにふたりがどうすれば仲良くやっていけるかなんて定義したことも、私達がまだ最後まで関係もないというのにそれぞれにセックスパートナーを作ればいいとかぶっ飛んでいた
まあ結局、俺はあなたのためなんかには変わりませんし変わる気なんてさらっさらありませんって言い渡されているものでしかなく
ラインに対しては、出会ったことは良かったし憎んでもいないし後悔もないけど事情が事情だけに別れることになっても仕方ないねってことを告げた
明け方も迫ってきてる頃に電話する流れになり、性癖のことで意見の交わることもない話をしていたら「治してよ」「変わりたい」って彼が悲しく呟いたのだけど、とても悲痛な叫びのようにも救いを求める声にも感じ取れた
そのときになって、今まで完全に開き直っているだけのように見えていたけれど苦しみを抱えていたんだなって衝撃を受けたから何度も気持ちを確かめた
そんなこんなでこれからどうするかだ
ふたりが抱えるひとつの問題に対して互いに協力しながら知恵や発想を出し合うこと
そうすると試されているようなときもやってくるのだろうけど彼となら進んでいけるのかもしれないと希望が見えた
外はもう真っ暗で虫の音が響く
またひとつ始まろうとしている
良いよるを
みいでした